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Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第6章 答え




(……広い)


リヴァイの執務室に入って最初に思ったことがそれだった。
両側に並べられた本棚、奥には仕事用の机、その手前には来客用のソファとテーブルが置かれている。

とにかく広かった。この様子だと上官用の個室も広く作られているのだろう。


(あと、なんか綺麗……)


男性が使用している部屋とは思えないほど、埃一つ無いように見られる、完璧に掃除された部屋。物も全て綺麗に整頓されており、エミリは余計に自分が場違いなように感じた。
この空間に居るだけでも、貴族のような上品な雰囲気に呑まれてしまいそうだった。


(そういえばハンジさんが、兵長は綺麗好きみたいなこと話していたっけ……)


ハンジ班に所属してから巨人の話ばかりをされていたのかと問われれば案外そうでもなかったりする。
ハンジはエミリに、調査兵団にはどんな人間がいるのか……彼らの人柄についても教えてくれた。

本人曰く、リヴァイとは『一番仲が良い』、『親友だ』と話していたが果たして本当にそうなのだろうか。


(まあ、確かに仲は良さそうだけど……)


リヴァイとハンジが一緒にいる時のことを思い出すが、大体ハンジがリヴァイに構って行って、いつも『クソメガネ』とか言われて追い払われてるようなやり取りばかりだ。

ハンジにとってリヴァイは一番仲が良い人だが、果たしてリヴァイはハンジをどう思っているのだろうか。どちらかと言うと、信頼出来る仲間であることに変わりは無いのだろうが、普段はうるさい奇行種くらいにしか思ってなさそうだ。


「おい、突っ立ってねぇで座れ」

「は、はい……それじゃあ、失礼します」


おずおずと来客用のソファに腰を下ろす。


(ふ、ふかふかだ……!!)


柔らかいソファの感触に思わず感動してしまった。
兵士長ともなれば家具も高級品なのか。
これならソファで寝ても気持ち良さそうなどと、どうでも良いことを考える。
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