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Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第23章 親友




「エミリ、ならもう一つ言っておくね。友達と仲直りするとき、必要なこと」

「……必要な、こと?」

「それはね、”ごめんなさい”だよ」

「……ごめん、なさい……?」


誰かに嫌な思いをさせたときに使う、当たり前の言葉。ありふれた言葉なのに、心にジンとくるのは何故だろうか。


「たくさん謝って、たくさん思いをぶつけ合って、仲直りしておいで。今すぐに!」

「……はい!!」


いつものエミリらしい笑顔で頷いては、勢いよく椅子から立ち上がり、部屋を飛び出して行った。これから彼女が向かうのは、大切な親友がいる場所。


「頑張れ、エミリ」


もうこの部屋にいない存在に、ありったけの思いを込めた小さなエールを送る。次に彼女らと会う時は、笑顔で二人一緒に並んでいてほしい。


友達とは、ただ仲が良いだけじゃない。お互いを思い合うならば、時に衝突することだって必要なのだ。それができた時、本物の親友となれる。

隠し事だってするだろう。嫌いな部分だってある。同じ人間でも、個人という一人の人間と見たとき、それは全く別の生き物なのだ。
だから、仲が良いだけではいけない。お互いをわかり合うためにも、喧嘩というものをして、友情を形作っていくことが、何よりも大切なのだ。


この喧嘩はきっと、エミリとペトラ、二人にとっての小さいようで大きな試練なのかもしれない。”本物の親友”になるための……────
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