Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人
第23章 親友
ちなみに、三日間の謹慎処分を受けている間、エミリは独房の中で何をしていたのかと言うと、ハンジを通してエルヴィンから渡された何十枚もの始末書を処理していた。
休憩と昼寝を挟みながら、筆を手にひたすら文字を綴り続けていたが、三日目には力尽きて睡眠時間を大幅に取ってしまったほどだ。まだ資料は、三分の一ほど残っているというのに。
(…………もう、嫌だあ)
自業自得であるのはわかっているが、三日間、同じ空間で同じことを繰り返していれば、疲れ果ててしまうのも無理はない。机に突っ伏し、心の中で自分に向かって馬鹿と叫ぶ。
そんなエミリの耳に入るのは、誰かの足音。食事の時間だろうか。それとも、お説教が始まるのだろうか。憂鬱な気持ちで檻の前に現れる人物を待つ。
この数日間、オルオやハンジ班の班員たちが、口々にお説教をしにエミリの元へやって来ていた。上との話し合いで忙しいエルヴィンらに変わって、見張りも兼ねてお説教を繰り返してくるのだ。
こればかりは仕方がないが、三日目ともなれば同じ内容を延々と話されるだけだろう。このままでは耳にタコができてしまう、と思わず溜息を吐く。
「おい、溜息吐いてる時間があるなら手を動かせ」
「………………兵長?」
まさかリヴァイが登場するなどとは思っていなかったため、思わず面食らう。
リヴァイはずっと審議に参加していたため、今までエミリの様子を見にやって来ることはなかった。審議自体、王都で行われていたため、三日間宿泊していたのだ。