Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人
第23章 親友
エミリが目を覚ましてから、三日が経った。
子どもたちの命を救ったという結果があるとは言え、勝手な行動をして大きな事件を起こし、更には人を殺めるまで至ったエミリは、調査兵団の独房で三日間の謹慎処分を受けることとなった。
その間にエルヴィンやリヴァイ、ハンジは、ダリス・ザックレー総統と彼の妻であるファティマらと共に、エミリとオド、二人の処分について審議を行っていた。
そこには、ナイルら憲兵団やピクシスら駐屯兵団も同伴し、数時間に及ぶ審議の結果、主犯であるオドには無期限の懲役刑が課せられることが決定。
そして、エミリに与えられた処罰は二つ。
まず第一に次回の壁外調査への参加が禁止。
第二に、二ヶ月間、薬物の作成及び薬学に関する学習の禁止である。もちろん、ファティマから講義を受けることもできない。
理由は、子どもたちを救い出すためとはいえ、薬を使用することで人間に害を与えたからだ。
エミリが薬学を学んでいる理由は、調査兵団のため。それ以外で薬物を用いることは、ファティマからも許可は出されていない。
よって、薬の使用並びに勉学を一定期間、禁止にするという特別処置で話はまとまった。壁外調査の参加が認められないのは、壁外で負傷した仲間に与える薬の作成を防ぐためである。
それらの決定事項がエミリに伝えられたのは、謹慎処分三日目の夕飯どきであった。