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Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第6章 答え


兵舎を出たエミリが向かった場所は馬小屋だった。
とにかく一人になりたく無かった。

リノはまだ寝ているだろうか。
壁外であんなに動き回ったのだ。疲れているだろう。


(もし眠っていたら、諦めて一人で散歩でもしよう)


心の中で呟きながら、そっと馬小屋に足を踏み入れる。

馬達は眠っていた。皆疲れているのだろう。
それだけじゃない、馬も何頭か減っていた。
巨人が狙う生き物は人間だけだが、人間と巨人の戦闘に巻き込まれ命を落とす馬もいる。
仲間を失って悲しい思いをしているのは、この子達も同じだ。

暫くはどこにいても、心が休まる場所は無いだろう。
エミリはゆっくりと息を吐いた。


『ブルル……』
鳴き声が聞こえた。
その馬は誰か、確認せずとも分かる。


「……リノ」


馬小屋の奥のスペースで眠っていると思っていたリノが、黒い瞳でエミリをじっと見つめていた。


「起きてたの?」


近寄り手を差し出せば、それをぺろりと長い舌で舐める。


「……寝なくていいの? 疲れたでしょ?」


頭を優しく撫でながら問いかければ、エミリの方へ顔を近づける。
『傍にいる』
エミリにはリノが、そう言っているように感じた。


「ありがとう……なら、一緒に散歩にでも行こっか」


声を掛ければ、リノはもう一度エミリの手をぺろりと舐めた。

エミリは扉を開け、手綱を引く。
そのままリノを連れて、馬小屋を後にした。

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