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Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第15章 賢者




『僕も……姉さんみたいになれたらいいのに』

『アルミン? 本当に、急にどうしたの?』


いつも以上に元気の無いアルミンに、エミリは困惑する。

アルミンは、よく自分と他人を比べて自分を卑下する癖がある。それをエミリは前からずっと心配していた。
力が無い、弱い、誰かに助けられてばかり、そうやってどんどん自分の評価を落としている。


『……なんでいつも僕は、誰かの力がなきゃ何もできないんだろう』


自分の無力さにいつも自信が無くなる。
ガキ大将らにいじめられる時だって、必ずエミリとエレンの姉弟が助けに入る。そうでないと、一人で何もできないし、解決もできない。

そんな弱い自分が、本当に大嫌いだ。
そう、何度自分に言い聞かせただろう。

アルミンは、膝を抱えて顔を埋めた。


『私がシトリンなら、アルミンはトパーズみたいだね』

『え……?』


信じられないエミリの言葉に、アルミンは勢いよく顔を上げた。エミリは、そんな彼の頭を優しく撫でる。


『アルミンだって、私と同じ11月生まれなんだから該当するでしょ?』

『それは、そうだけど……でも、僕なんかにトパーズなんて似合わなさすぎるよ』


勇気と希望。そんな石言葉を持ち、強く輝くトパーズ。
自分とかけ離れすぎて、何故エミリがそう言ったのか理解できない。


『アルミンにとって、エレンはどういう存在?』

『それは……』


エレンと出会い、助けられ、遊んで過ごしたこれまでのことを思い返す。そして、アルミンははっきりと答えた。


『親友だよ』


自分が望むもの、夢見るものを理解してくれる、大切な親友。
同じ夢を持ち、共に歩むことができる大きな存在。


『ほら、トパーズだよ。アルミンが必要としている存在にちゃんと出会えているじゃない』

『……あ』


自分が望むもの、必要なものと出会わせくれる石。また、何が必要か、何を見るべきかを分からせてくれる。

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