• テキストサイズ

Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第14章 傷跡


そっと唇を離し、ペロリとエミリの唇を舌で舐める。
名残惜しいが、これ以上続けていたらもっと欲情してしまう。
あのまま、舌をねじ込んで口内を犯してやりたくなった。けれど、そこまでしてしまえば流石のエミリも目を覚ましてしまう。


そろそろリヴァイも眠たくなってきた。休まなければ明日の仕事にも支障が出てしまう。

エミリが仰向けで寝転がっているため、今はリヴァイが彼女に覆いかぶさる形となっている。流石にこの状態で寝るわけにもいかない。

エミリを起こさないように自身も布団の中へ入り、彼女を横に向かせた。
向かい合い体が密着しているせいで、顔の距離も自然と覆いかぶさっていた時と同じくらいに近くなる。

エミリの寝顔を見つめながら彼女の頭を撫でていると、段々と瞼が落ちてくる。
眠る前にもう一度だけキスしてやろうと、顎に手を添えて顔を近づけた。


「……ん……へ、ちょ……」

「っ!?」


突然、エミリの唇が形を変えて声を出したため、目を覚ましたのかと驚いたリヴァイは、さっと顔を元の位置に戻す。

しかし、エミリはぐっすりと眠っていた。


「……寝言か……」


おどかしやがって、と悪態を吐いているが、リヴァイの口角は上がっていた。

それに、あんな寝言を言われてしまったら……


「期待しちまうだろうが……」


もしかしたらエミリを慰めてやったことで、彼女もリヴァイを意識しているのではないのかと。

今度こそキスをしてやろうともう一度顎に手を添えた。


「……ぱ……パンケーキ……食えたい、れす……」

「…………は?」


まさかの寝言に驚いてエミリの顔を見れば、幸せそうに微笑んで涎を垂らして眠っている。

つまり、さっきの寝言は食べ損なったパンケーキを奢れと、そういう意味で『兵長』と呼んだのか。


「……コイツ……しかも、まだ根に持ってたのか」


人の気も知らないで呑気に幸せそうな顔をしやがって、と頬をムニッと指で摘んでやるも起きる気配はない。


「……はぁ……ったく、まあ、それがお前か」


彼女らしい寝言にリヴァイはフッと微笑む。

そのままエミリの頭を自分の胸に抱き寄せて、自身も瞼を閉じて眠りについた。

/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp