Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人
第3章 入団
「うそ!?」
「俺と同い歳!! てっきり20は軽く超えてんのかと……」
「そうか、お前らそんなに俺が大人に見えたのか」
「バカ、そんな訳ないじゃない。老けてるって言いたいんでしょ」
「何!?」
エミリとフィデリオは、信じられないものを見るような目をし、オルオは不満そうに顔を歪める。そして、そんなオルオをペトラは呆れた様子で見ていた。
「お前ら失礼だぞ! どう見たって16だろうが!!」
「ねぇ、団長って何歳だったっけ?」
「30はもう超えてるよな。兵長だって30近くだろ……」
「私、二人の方が若く見える……!」
「いい加減にしろよお前ら!!」
「ちょっと、オルオうるさい!」
「何で俺が怒られるんだよ!!」
調査兵団に入団して初日。初っ端からギャーギャー騒がしい……いや、ワイワイと元気な四人の様子は、遠くで見ていた上官たちの話題の的となるのも早かった。
「いや〜、あそこの子達は元気だねぇ」
「あ? うるせぇだけだろ」
調査兵団の主力組がグラスを傾けながら、今期の新兵の様子を観察していた。どの兵士達も良い表情をしており期待がかけられる。しかし、今騒いでいるエミリ達四人はそれ以上に目をつけていた。
「あの子達、確か訓練兵での成績スゴく良かったよね?」
「ああ。四人とも、上位10名の中に入っている」
「へ〜、そんな子達が憲兵に行かずに調査兵団に来てくれるとは……何だか鼻が高いね」
「成績は関係ねぇ。壁外で使えなければ意味がない」
「ま〜たリヴァイはそんな事言って」
「……フン」
団長のエルヴィン、兵士長のリヴァイの他、分隊長のハンジ・ゾエとミケ・ザカリアスの四人は、資料を片手にエミリ達を観察していた。
まだ新兵の配属班は決まっていない。というのも、この宴はただの宴ではなく、新兵達の様子見も踏まえたものだった。
資料だけでなく、実際に彼らの人柄を見ることも大切だ。