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Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第12章 役割




「エミリ! 準備なら出来てるよ!!」

「ありがとう、皆!!」


リノを繋ぎ、エミリは作業中に髪が薬にかからないようお団子に結びながら、材料を用意してくれたペトラ達の元へ歩いて行く。


「取り敢えず、民家から使えそうなもんとか持って来たけど、どうだ?」


フィデリオが集めた、製薬道具になりそうなものを一つひとつ、手に取って確かめていく。
薬草を細かくしたり、混ぜたりするために使えそうな物も数も揃っているため、心配は無いだろう。
足りないものがあれば、作業中に頼んで探しに行って貰うしかない。


「うん、多分大丈夫! オルオ、悪いけどお湯を沸かして貰ってもいい?」

「ああ、任せろ!」


木を燃やし、火を炊いているオルオに鍋を渡す。
お湯に関しては、薬が出来上がるまでに沸騰していれば問題無い。

エミリはジャケットを脱いでペトラに預け、シャツの腕を捲り綺麗な水で手を洗う。ペトラが用意した清潔なタオルで手を拭き、作業に取り掛かった。


「エミリ、薬って粉薬か? 丸薬とか錠剤は無理だよな……?」

「うん。まず、丸薬と錠剤を作るにも、形を作るためのちゃんとした道具が必要だから、今ある道具を見る限り無理ね」


手を動かし、視線は手元に固定したまま、フィデリオの質問に丁寧に答えていく。


「じゃあ……どうするの?」

「煎じ茶にする。その方が飲みやすいでしょ」

「なるほどな」

「あ、そうだ……フィデリオ、ティーポット探してきて。多分、一つくらいは見つかると思う」

「ああ、茶にするなら必要だもんな。わかった、探してみる」


ティーポットが無いことに気づいたエミリは、すぐにフィデリオに探すよう指示する。あれがなければ、薬草の成分を抽出することが出来ない。

ポットのことはフィデリオに任せて、エミリは作業を再開させた。

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