第9章 屋上でーと
4時間目がおわり、昼休みが始まる。
いつものメンバーでご飯を食べようと机を動かしてたら、腕を引っ張られた。
のぞみ「わっ!」
田島「今日は俺と食べよーぜ♪ 今日はこいつ借りんぞ!」
かれん「えっ!? 」
田島「なんだ、かれんに言ってないのか? 俺ら昨日付き合ったんだぜ!」
クラス中が私達を見る。そんな皆の前で言わなくても。
かれん「えっ!? まじで? なにそれ知らなかった! のぞみ、あとで詳しく説明よ! 田島くん、どーぞどーぞ、連れてっちゃって」
田島「いくぞ!」
のぞみ「うん、わかったからそんなひっぱんないでって」
私たちは屋上に向かった。
屋上には、人がいなかった。
日陰に入り、お弁当を広げた。
田島「やーりー♪ 2人きりじゃん!さっ、食おーぜー!」
のぞみ「うん! 食べよっか。田島、めっちゃ弁当大きいねんなー。」
田島「今、成長期だからな! 俺と三橋はまだまだ伸びるぜ、花井だって超えてやる!」
のぞみ「花井くん? キャプテンの人やっけ?」
田島「そうそう!あいつ、強面のくせに名前あずさなんだぜ? 面白いよなー」
のぞみ「あずさって、可愛い名前やなぁー」
田島「あいつ自分の名前嫌いみてーで、母親にも花井って呼ばせてるらしいぜ? 母さんも花井だっつーの。」
田島は楽しそうに笑う。ほんと無邪気だなぁー。花井くんを馬鹿にするような笑いじゃなくただ、純粋に面白がっているみたいだ。
私たちは、何気ない会話を楽しんだ。
主に野球部のはなし。三橋と阿部君の話とかモモカンっていう監督の話とか。
田島「んー、楽しかった。お腹もいっぱいだし」
田島がゴロンっと仰向けになる。つい無防備で可愛いなぁと思ってしまう。
そう、あたし田島に聞きたいことがあったんだ。
のぞみ「ねぇーたじまぁ。」
田島「んー?」
のぞみ「あたしのどこが好きなの?」
田島はムクっと起きあがって話し出す。