第8章 朝練とクリス
昨日は全然眠れなかった。
まさか、こんなに頭の中が田島でいっぱいになるなんて。
朝練を終えて、部室に戻る。
ふとグラウンドを見ると野球部はまだノックをしている。あっ、田島だ。1番楽しそうに練習してる。ふっ、ほんと野球バカだな。つい微笑んでしまう。
クリス「なーに、にやにやしてんの?」
のぞみ「いやいや、なんでもないって!」
クリスはアメリカからの留学生。むこうでも日本語練習してたみたいでペラペラだ。
今年の硬式テニス部の女子はあたし1人。マネージャーは数人いるが。そんな中、日々の練習のパートナーになってくれているのがクリスだ。女子の私と快くペアを組んでくれるなんて、ほんといいやつ。クリスにとって、テニスは趣味程度らしいから、楽しくできればそれでいいらしい。
クリス「んじゃ、お疲れ。また放課後」
手をふり、軽くウインクする。アメリカ人がやると様になるなぁ。
のぞみ「ありがと!」
私も手をふりかえした。
んー、よし!今日も1日がんばろっと!