第50章 何してんの?
花井くんに作ってもらったブラジャーをつけてブラウスを着ようとした時…。
ガラッとドアが開く音がした。私は驚いてブラウスを握りしめ下を向いた。もしかして花井くんが忘れ物でも取りに帰ってきたのかな…。
聞き慣れた彼の声が聞こえた。
田島「ねー、何してるの?」
私は驚いて顔をあげる。田島のいつもと違う低い声、冷たい顔。
のぞみ「え、あ。」
田島「さっき花井が出てくんの見えたんだけど、ねー。なに?」
のぞみ「ご、ごめん!」
田島「謝るようなことでもしたの?だから下着姿なわけ?」
のぞみ「ちがう!そんなことしてない。」
田島「じゃー説明してよ。」
田島はドアを閉めて、私の前に立つ。ちゃんと説明しないといけないのに、言葉がうまくでない。
のぞみ「あ、あの。今日寝坊しちゃって…。そんでブラつけてくんの…忘れちゃって。カーディガン着たり誤魔化してたんだけど、さすがに体育はバレるから保健室に…。」
田島「それで?」
のぞみ「保健室、1人だって。そんでぐーって伸びしてたら、花井くんが…入ってきて。ノーブラのことバレちゃって。そしたら花井くんがブラ、作ってあげるって。そんで作ってもらって今…それを着ようと…。」
沈黙が続く。
田島「…。なんで花井なの?」
のぞみ「え?」
田島「なんで俺のこと頼んないの?」
田島の目がキッと私を睨む。
田島「俺、そんな頼りない?」
のぞみ「ちがっ、キャッ!」
田島が私の腕をギュッと握る。
田島「俺、彼氏なのに…。」
田島は悲しそうに下を向く。
のぞみ「ごめん!ちゃんと田島に相談するから!」
田島「うん…。てかなんで花井にノーブラの姿見られてんだよ。」
田島の手に力がこもる。
のぞみ「痛いっ、ごめん…。これから気をつけるから。」
田島「なぁ…。俺のこと、好き?」
のぞみ「す、すきだよ!」
田島「じゃーいいよな?っても今日はのぞみが悪いんだからな?」
田島はそのまま私を机に押し倒した。