第46章 家庭科室で…。
花井「しつれーします。」
ガラッと家庭科室のドアを開ける花井くん。
誰もいないみたい。
花井くんはそこらへんにある布切れを集めて、ミシンの前に座る。
花井「じゃー俺作るからゆっくりしてて。」
のぞみ「ありがと!」
花井くんは布を広げてくるっと振り返る。
花井「そのまえに測ってもいいか?」
花井くんが椅子から立ち上がる。
のぞみ「は、はかるって!?」
私は驚いて目を大きく見開く。
花井「わ、わりー// じゃーサイズでいいから。」
花井くんは気まずそうに目をそらす。
のぞみ「…。カップのサイズなら分かるけど、細かいセンチわかんない…。ごめん、測ってください…。」
恥ずかしくてボッと顔があつくなる。花井くんはちょっと驚いたような顔をしたが、すぐにさっと私の後ろに周って
花井「手、あげて?」
と呟く。頭の上から聞こえてくる声にビクッとなる。
花井「すぐに終わらすから。な?」
私が恥ずかしがっているから、早く終わらそうとしてくれているようだ。助けてくれている花井くんを困らすわけにはいかない。私は恥ずかしいながらも素直に手をあげた。
花井「はい、終わったからもういいよ。」
パッと顔をあげると、花井くんはミシンの方に歩いていく。
あっ、後ろ姿でも、はっきり彼の耳が赤く染まっているのが分かる。
なんとなく甘い気持ちになり、胸がキュッとしめつけられた。