第38章 ご機嫌ななめの幼なじみ
店をでて、みんなと歩き出す。
クリス「じゃー俺らこっちだから、じゃーねー」
のぞみ「ありがとーまたねー。」
私と松田は一緒に歩き出した。少しの間、沈黙がつづく。
松田「おまえ、田島とどーなの?」
のぞみ「え?仲良いよ?」
松田「ふーん。」
のぞみ「うん、すごく優しいし!」
松田「おー。」
明らかに、松田の機嫌が悪い。
のぞみ「なに?」
松田「いやー。田島もかわいそーだなと思って。」
のぞみ「どーゆーこと?」
松田「他の男子の前でお尻ふる彼女とか」
のぞみ「なにそれ。ただの罰ゲームでしょ!
その言い方はないんじゃない?」
松田「あー、わりー。」
のぞみ「別にいいけど…」
松田「おまえ、もっと用心しろよ。ガードがゆるすぎんぞ。」
のぞみ「そーかな?まぁありがと。」
松田「田島のこと、あんま心配させんなよ。」
のぞみ「うん!ありがとー。」
〜松田side〜
俺、ほんとかっこつけだな。本当の気持ちを隠して、どうしてこーゆーこと言うんだろう。あいつに嫌われたくないからか。おまえが他の男とイチャイチャ喋ったりしてるだけで嫉妬してしまうくらい好きだって素直に言えばいいのに。田島ならさらっというんだろなぁ。
ほんとは無理矢理でも抱きしめて俺のものにしたいけど、そうしたらあいつは泣くよな。
好きな人を泣かせる男は最低だ。
田島と一緒にいるのぞみは本当に幸せそうな顔をしている。あいつが幸せならそれでいいじゃないか、なんどもそう自分に言い聞かせてきた。
でも…
どんなに自分の心に鍵をかけても、あいつの笑顔はそんなもの簡単に壊してしまう。
初めて会ったあの日から、俺はのぞみだけが好きなんだ。