第36章 日曜日の午後③
糸井「ねーねー!もー食っていい?」
まだ半焼けのお肉をじーっと見つめる糸井くん。そんな見つめなくても逃げないって。やっぱり田島に似てる…。
松田「まだだろ。もーちょい焼けって。腹壊すぞ。」
糸井「おれ、腹壊したことないぜ?」
北条「糸井くん、ほんとすごいね。」
松田「おまえ、腹も筋肉でできてんじゃね?」
糸井「んー?それは悪口かぁー?」
糸井が頭を悩ます。
松田「べつにー。てかおまえ、どーやったらそんな筋肉つくわけ?俺らと筋トレの量変わんなくね?ほんと意味わかんねー。」
糸井「まぁ、家でもやってるし。」
北条「そーなの?教えてよ!」
クリス「それは興味あんなぁー!」
糸井「おー、いいぜ!」
それから糸井くんの筋トレ講座が始まった。男子ってこーゆー話するんだぁ。
松田「おー!すげーな。勉強になった。」
北条「ほんとー!ありがとー!」
クリス「俺もやらねーとな。のぞみは、筋肉ムキムキの人すきー?」
クリスは本当に気が利く。私が話題に入ってないのを気づかってくれているみたいだ。まぁわたしは焼肉だけでじゅーぶん満足してるんだけどねー。
のぞみ「んー。まぁかっこいいんじゃない?」
糸井がぐっと近づいてくる。
糸井「やっぱ女子ってムキムキ好きだよな?」
松田「おまえ、そのために鍛えてんのかよ。」
のぞみ「え、うん。男らしいと思うよ!」
糸井「まじー!嬉しい!」
横に座っていた糸井がガバッと私を抱きしめてくる。
のぞみ「ちょ、ちょっと!」
糸井「おまえはあんまり筋肉ねーな?やわらけー。」
のぞみ「私、いちおう女子ですから!」
松田「つっこむとこそこかよ!糸井離れろって。」
糸井「なんだよー。」
松田「田島に怒られんぞ。」
糸井「別にバレなきゃ大丈夫じゃん。」
松田「おまえも無防備なんだよ、バカ。」
のぞみ「別に糸井は、やましい感じじゃないからいいやん。」
北条「まぁまぁ!それよりソフトクリーム作りにいこー!」
なんか松田って、何かしらつっかかってくるんだよなぁ。危ないとかやめとけとか、いっつも言ってくる。ちょっと過保護の親みたい。