第26章 帰り道のキス
なんだかんだ話をしながら、もう家の前。
田島と一緒にいると時間があっという間にすぎてゆく。
のぞみ「ありがと!送ってくれて」
田島「おお! 」
田島が私を見つめる。
田島「 ……んなぁダメ?」
のぞみ「えっ?」
田島が私に近づいてくる。レンガと田島に挟まれるこの感じ、告白された日と同じ雰囲気…。
両手を握られ頭の横にくっつけられる。
田島「まー、嫌って言われても多分我慢できないけど。」
のぞみ「わっ//」
田島がゆっくりとキスをする。
田島「やっべー。超かわいい。」
田島に耳元でささやかれる。
のぞみ「ちょっ!!」
思わず田島の手を強くギュッと握る。
田島「やべー。我慢できねーかも。でも、さすがに家の前じゃダメだよなー。」
田島が困った顔をする。やばい、流されそう。でも家の前はダメだって!
のぞみ「だ、ダメっ。」
田島「んな、可愛い声で言うなって。でもキスはいいよな?」
そういって、またキスをしてくる。体の力がぬけて自分を支えられず、私は田島の首に手をまわした。
田島が顔をはなして、見つめてくる。
田島「誘ってんの?」
いつもと違う田島の声にドキッとしてしまう。
のぞみ「ち、ちがうって!」
田島「それ無意識? 俺じゃなかったら襲われてんぞ。」
田島が微笑む。こんな近くに顔があると呼吸もしにくい。
自転車の光が私たちをさす。