第24章 田島の家で④
今何時だろう?
花井くんの話をしてから1時間はたった気がする。
あれから田島は眠りに入ってしまった。
体力底なしって言っても、そりゃ、試合は疲れるよね?
膝の上でスヤスヤ気持ちよさそうに眠っている。たまに髪の毛をなでたり、ほっぺをつんつんすると、んーとうなる。それが可愛くて、つい起こしそびれた。
ほんと気持ちよさそうだから、起こせないなぁ。でも、そろそろ帰んないと。
田島母「のぞみちゃーん。そろそろ帰らないで大丈夫? 悠ちゃん、家まで送りなさいよー!」
ガラッとドアを開ける田島のお母さん。
田島母「まぁ。悠ちゃん寝てるの?」
のぞみ「試合で疲れたみたいですね?」
田島母「んもー。ごめんね?せっかく遊びにきてくれたのに。」
のぞみ「いえいえ!美味しいご飯もご馳走になれて、楽しかったです!」
田島母「まぁ!嬉しいわぁー。」
田島「んー。」
田島のお母さんの大きな声で、どうやら田島は起きたようだ。
田島母「悠ちゃん!彼女放ったらかして何のんきに寝てるのよー」
田島「え?え?」
田島が動揺している。
田島「やっべー!!」
どうやらやっと今の状況に気づいたらしい。
田島母「やばいじゃないわよ、早く遅くなる前にのぞみちゃん、家まで送ってきなさい!」
田島「わぁー!ごめん!のぞみ!」
のぞみ「え?いいよいいよ!」
田島「まじでごめん。のぞみ、家まで送るから帰る準備して?」
そういって立ち上がる田島。私は田島の手を引っ張る。
のぞみ「大丈夫大丈夫!田島疲れてるでしょ?1人で帰れるよ!」
田島「いや、これぐらいやらせてー。まじで。」
田島がすごいへこんでる。こんな田島あんま見たことないなぁ。
のぞみ「うん。ありがと!」