第17章 手洗い場での甘いはなし①
田島「痛そーだな?てか、なんでこけたんだ?」
のぞみ「えっ!? それは言えないって!」
田島に見とれてたなんて言えるわけがない。
思わず、大ぶりな反応をしてしまう。
田島「なんだよー、そんな言い方されたら気になるだろ?」
のぞみ「いや!ほんとなんでもないから!」
田島「ちぇー。なんだよ。」
田島が寂しそうな顔をする。そんな顔されたらほんと嘘つけない…。
のぞみ「田島のせいだって。」
田島「えっ?俺のせい!?」
田島は私の予想外の答えに目を丸くする。
のぞみ「田島がかっこよくて。見とれてたら、そ、その、つまずいたの。」
田島は目をパチクリさせて叫んだ。
田島「何それ!超嬉しいんだけど!てか、可愛すぎ!!」
私は恥ずかしくて下を向く。田島はテンションが上がったみたいで鼻歌を歌っている。
田島「よし、洗えたな。あとはこうしたらすぐ治るぜ?」
田島がしゃがみこむ。
のぞみ「ひゃっ!何すんの?」
田島が傷口を舐めてくる。
田島「え?じーちゃんが怪我した時は舐めたら治るって。ほら、じっとしてて。」
田島は上目遣いに微笑んでくる。