第18章 手洗い場ての甘いはなし②
田島はただ、怪我の手当てをしてるだけだと自分に言い聞かせる。
でもやっぱり恥ずかしい。私だけ、変な気持ちになってるなんて気づかれたくない。頑張って平然を装おうとしたが、無理。やばっ、足に力が入らない。思わず田島の頭に手を乗せて体を支えてしまう。
田島「……。やべーな。」
のぞみ「ご、ごめん!もーいいから!血も止まったし、大丈夫!ありがと!」
私が退こうとしたらギュッと手を握られた。
田島「いろいろやべーな。」
のぞみ「えっ!?」
田島がしゃがんだまま、私を抱きしめる。
田島「ほらっ? 目の前にのぞみの太ももあるとか。」
チュッと田島が太ももにキスをする。
のぞみ「わっ、だめだって。」
田島「外って興奮するよなー?」
のぞみ「そーいう問題じゃないって!ほら、誰かくるって。」
誰かの足音がする。
田島「んー?」
それでも田島はやめてくれない。ほんと、誰かきたって!
花井「お、おまえ何してんだよ?」
田島「のぞみが怪我したから、消毒だよ!」
花井くんは見てはいけないものを見たような感じで、びくっとして回れ右をする。
花井「わ、わかったから集合遅れんなよ。」
花井くんは恥ずかしそうに、走って行った。
田島「集合遅れんのは厳密にまずいな。のぞみ、お大事に♪」
ニコッと笑って、私の腰から手を離すとグラウンドに走って行った。
おもわず、私はそこにうずくまった。恥ずかしさで本当、足に力が入らない。
こんな田島にドキドキさせられるなんて。