第11章 屋上でーと③
田島「んーがまんがまん!」
のぞみ「どしたの?」
田島「昨日、阿部に言われたんだ。ガツガツしてたら嫌われるって。今、すんげーのぞみのこと抱きしめたいけど、がまんしてんの!」
のぞみ「……。」
田島「駆け引きが大切らしい。押して引いてだって。」
のぞみ「わたしに説明されても…」
田島「わりー、それもそうだな。とにかくのぞみに嫌われるのはいやなわけ!体目当てだと思われたくねーんだよ。だから、のぞみがいいっていうまで我慢する!」
田島、ほんと素直で可愛い。こんなことわざわざ言う?
ついつい、意地悪したくなった。
のぞみ「へー。じゃ頑張ってガマンしてね?」
私はにっこり微笑む。
田島「うーー。どれくらい我慢したらいい?」
のぞみ「田島が甲子園行くくらいかな?」
田島「えぇ!?そんなに?」
慌てる田島が可愛い。でも、これ以上はかわいそうだ。
のぞみ「じょーだんやって。田島が体目当てじゃないのは分かったから。もーええよ?」
田島の目が大きくなる。
ぎゅっ。
田島が私を抱きしめた。触る手が少しいやらしいのが気になるが。ウエストをなでてくる。
田島「くびれってエロいよなー」
のぞみ「だーから、そういうこと私に聞かないでって。てか、昼休みそろそろ終わりよね?今日はここまでね?」
田島「えぇーもうちょっといいじゃん!てか授業サボろうぜ?」
のぞみ「そんなことしたらモモカンに殺されるよ?」
田島「それは厳密に困る!!」
田島との距離が少し縮まった一日だった。