第1章 シガンシナ区陥落
「・・・言うなよ、誰にも・・・
俺が泣いてたとか・・・」
彼はうつむきながらそうつぶやいた。
『言わない。でも、理由もなく涙が出るなんて一度イエガー先生に診てもらったら・・?』
わたしはそう言うと彼は「バカ言え」と声を荒げた。
「何泣いてんだ?エレン」
「・・・ハンネスさん?」
「ミカサとエルフィに怒られたのか??」
「は?!!なんで俺が怒られて泣くんだよ?!
酒くっさ・・・」
すると前のほうで駐屯兵団の集団が笑いながら談笑している声が聞こえた。
きっと手に持っているのはお酒だろう。
『また飲んでる・・・』
呆れたようにため息をついた。
「今日は門兵だからな!一日中ここにいるわけだからやがて腹も減り、喉も乾く。
飲み物の中にたまたま酒が混じっていたことは些細な問題に過ぎねぇ」
と笑いながらいった。