第4章 穏やかな日々
エレンの叫び声を聞いて俺は進行方向を切り替える。
まさかとは思ったがそこに居たのがエレンの馴染みと
エルフィだった。
頭に包帯を巻きながらも飛んでいる姿を見てホッとした。
・・・なんで俺はホッとしてやがる。
女型を追いかけうなじに切りかかったエルフィとエレンの馴染みを止めることで俺は左足を負傷した。
・・・よりによってついてねえ。
エルフィを抱き抱え不思議と懐かしい落ち着く感じに浸る。
「・・・気持ちわりいな」
俺はエルフィを荷台に乗せると馬を走らせる。
夕焼けは凄く綺麗で酷く俺の胸を締め付けた。
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負傷した兵士たちを医務室へ運び俺は最後に見てもらっていた。
角のベッドにはエルフィが眠っている。
『っ・・・』
エルフィが目を覚ましたらしい。
俺はいても立っても居られず声をかけた。
死にかけた野郎が訳の分からないことを言っている。
・・・生きていてくれたからそれだけでいい。
素直に言うとエルフィは訳が分からないといった顔で俺のことを見つめた。
・・・あぁ、抱きしめたい。
生きていてくれてよかったと抱きしめたい。
俺はその気持ちをグッと押し殺した。
・・・俺はこの新兵のガキにどうやら一目惚れというやつをしたらしい。
くだらねぇ。
・・・でも、こいつの笑顔を守りたいと本気で思っている。
いつ死ぬのかわからないこの残酷な世界で
俺は・・・。
こいつと生きていきたいと思った。