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【進撃の巨人】美しく残酷な世界で

第4章 穏やかな日々









「・・・そうか。エルフィの考えはよくわかった。




・・・エルヴィンに報告するよ。」





『・・・確証はありませんが・・・』




わたしは俯く。




頭がズキズキと痛んだ。





「疲れているのに悪かったね。




・・・時間がないんだ。」




そういうとハンジ分隊長は椅子から立ち上がると




「邪魔して悪かったね、エルフィ。





リヴァイ、ごゆっくり」




と不思議な笑みを浮かべて部屋を後にした。





「っち・・・」




リヴァイ兵長はとても不機嫌そうにしている。




『・・・あの・・・リヴァイ兵長。




お怪我されたんですか・・・?』




まさか痛むんじゃ・・・




「こんなものどうってことない。」




『・・・すみませんでした。




わたしたちが暴走しなければこんなことには・・・





わたしは調査兵団に入団してよかったのでしょうか・・




ちゃんと人類の糧になっているのでしょうか』





わたしに女型を近づけないようにと立体起動が不利なあの状況でネスさんたちは戦った。





そして、命を落とした。




・・・唇をかみしめる。




するとリヴァイ兵長は立ち上がりティーカップを慣れた手つきで持った。





「少なくとも俺のケガはお前らのせいじゃない。




・・・だから気にするな」




そういうとわたしに一つカップを渡してきた。





『・・・ありがとうございます。』






「お前は間違ってない。




俺とエルフィとの判断の相違は経験俗に基づくものだ。





だがな、そんなものは当てにしなくていい。




選べ。自分を信じるか俺たち調査兵団組織を信じるか。




・・・俺ににはわからない。ずっとそうだ。




自分の力を信じても信頼に至る仲間の選択を信じても結果は誰にもわからなかった。




だから・・・まぁせいぜい悔いが残らない方を自分で選べ。」







そういうとリヴァイ兵長は紅茶を啜った。





わたしもつられて紅茶を飲む。





あの時とはまた違う渋みがある。





紅茶の渋みが心の黒いしみを流してくれるような気がした。




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