第3章 第57回壁外調査
「な、なんで・・・刃が通らない?!
絶対・・・生きてる。
絶対にエレンは生きてる!!!!
どこにいたってその女殺して体中かっさばいて
その汚いところから出してあげるから・・・」
『ミカサ!わたしが囮になる。だから、エレンを・・・』
「ごめんね、エレンもう少しだけ待ってて」
ミカサにわたしの声は届いてないように感じる。
彼女の目には殺意しかないようだった。
すると女型の巨人はわたしとミカサの止まっている木を拳で殴るとまた森の奥まで走り出す。
・・・ここで仕留めなければ。
そう思いアンカーを飛ばそうとした瞬間わたしは体を掴まれた。
『な、なに?!』
わたしは、リヴァイ兵長に抱き抱えられていた。
「・・・一旦離れろ」
ミカサもわたしもリヴァイ兵長の指示に従うことになった。
「この距離を保て。
奴も一旦疲弊したか?
それほど速力もないように見える。
うなじごと齧られていたように見えたがエレンは死んだのか?」
ミカサはリヴァイ兵長を睨むと
「生きてます。
目標には知性があるようですが その目標はエレンを連れ去ることです。
殺したいのなら潰すはず。
目標はわざわざ口に咥えて戦いながら逃げています。」
「エレンを食うことが目的かもしれん。
そうなれば、エレンは胃袋だ。
・・・普通に考えれば死んでいる」
『エレンは・・・生きています。』
するとリヴァイ兵長はこちらを見て「だといいな」と呟いた。
「目的を一つに絞るぞ。
まず、目型を仕留めることは諦める。」
『奴は!仲間を・・・沢山殺しています!!!』
わたしはリヴァイ班の最期の姿を思い歯を食いしばった。
「皮膚を硬化させる力がある以上無理だ。
俺の判断に従え。
エレンが生きていることに全ての望みをかける。
奴が森を抜ける前に救い出す。
俺が奴を削る。エレンの馴染みとエルフィは注意を引け」