第3章 第57回壁外調査
煙弾が上がった。
「総員撤退、馬に乗って帰れってさ」
『はい!!!』
ドン!!!!
5年前のあの時と一緒だ。
隕石でも落ちたかのような光が森の中に落ちた。
それと同時に雄叫びが聞こえる。
『・・・エレン・・・?』
------エレンを頼むよ。
ハンジ分隊長の言葉を思い出す。
『っ・・・』
わたしは声のする方へアンカーを飛ばした。
「エルフィ!??!」
しばらく飛ぶと左側からミカサが飛んできているのがわかった。
『・・・ミカサ?!無事でよかった。』
「エルフィ?!」
『エレンの声が聞こえた気がして・・・』
すると木にぶら下がっている人影が見えた。
『ひっ・・・』
・・・首を切られているグンタさんだった。
そしてすぐ下には体を真っ二つにされているエルドさん。
・・・木に持たれるかのようにペトラさん。
ボサドさんまでもが血まみれで倒れていた。
『え、エレンが・・・危ない・・・』
ひたすら全速力でアンカーを飛ばす。
「エレン?!?!」
ミカサの声でハッとすると女型の巨人がエレンを捕食するところだった。
「あ・・・あぁ・・・あっ・・・」
すると女型の巨人は森の奥の方へ走っていく。
「待って・・・エレン・・・行かないで」
ミカサの声は震えている。
『ミカ・・・』
名前を呼んだ瞬間彼女は鬼の形相になると
刃をきつく握りしめた。
「エレンを・・・エレンを・・・返せ!!」
ミカサは女型の巨人に掴まれないスピードで切りかかる。
わたしもアンカーを飛ばした。
・・・足を仕留めれば。
グッと手に力を込めると脚の筋の所にアンカーを刺し切りかかった。
するとミカサに気を取られていたのか女型の巨人は足をついた。
ミカサはうなじに切りかかる。
女型の巨人は手でうなじを抑えている。
・・・手を切れれば!
しかし、ブレードが通らない。
・・・ブレードが通らない?!