第3章 第57回壁外調査
「もう時間稼ぎは十分だろ?
急いでこいつから離れるぞ!
人食いじゃなきゃ俺たちを追いかけたりしないはずだ!」
「見ろ。デカ女の野郎め。ビビっちまってお帰りになるご様子だ」
わたしはうっすらと目を開け巨人のことを目で追う。
・・・そんな。なんで?あっちは中央後方・・・。
もしかして、エレンがいる方に・・・?
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わたしはライナーに治療をしてもらっている。
ジャンは指笛で馬を呼んでいるがなかなかこない。
「どうだ?エルフィ立体起動装置は?」
『・・・大丈夫。留め具が正しく外れてくれたから壊れてはないみたい。』
「そうか・・・それはよかった。
だが・・・どうする?馬が一頭しかいないぞ?
ジャンの馬が戻ってこれば3人とも移動できるんだが・・・」
わたしの馬はさっき飛ばされて・・・。
そして、さっきの情景を思い出していた。
あの巨人の顔・・・どこかで・・・
「い・・・エルフィ!やはりまだ意識がしっかりしないのか?」
『ん・・・まだちょっとぼーっとするよ』
「そうか・・・でももう決めねぇとな」
そう言うとライナーは立ち上がった。
「辛い選択だが、一人ここに残る必要があるようだ」
『・・・まって。
その前に煙弾を打ってみよう。
陣形が直進してたら四列三班あたりが近くにきてるはず。』
そして紫の煙弾を打った。
「エルフィ、あと3分だけ待つ。それまでにここに残るものを決めないと・・・『わたしが残る。』
『でも・・・わたしに代わって報告してほしいことがある。
できればエルヴィン団長「いや、エルフィそれは自分で報告しろ。
誰か来たみたいだ。しかも馬を二頭もつれて」
「さぁ、早く陣形に戻ろう。」