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なにがあっても、あなたを守るから…

第1章 出会ったのは……


「助けて頂けませんか…?」

必死の思いで頭を下げると

やや間が空いてから、返事が戻って来た

謙「良いだろう。暫くの間、我が城に身を寄せると良い」

「本当ですか…!? ありがとうございます!」

???「ですが、謙信様。素性の解らぬ者を城に招くのは、危険では?」

??「見るからに怪しい恰好をしていますからね」

謙「しかし、山中に見捨てて行く訳にもいかないだろう」

謙「第一、力ある者には、力なき者を守る義務がある。助けを求められれば、なおさら断るわけにはいくまい」

その言葉に、二人は顔を見合わせてから、やれやれと肩をすくめた

???「……解りました。謙信様がそうおっしゃるなら」

??「娘、運が良かったな。謙信様の寛大なお心に、感謝するんだぞ」

「はい、本当にありがとうございます! えっと…ケンシンさん?」

??「何!? この方の名を知らないのか? 上杉領の者なら知らん奴はいないはずだが。…おい、まさか他国の問者じゃないだろうな?」

「えっ? 違います!」

私が慌てながら答えると

??「なら、答えろ」

(そう言われても…… どう説明したら良いか分からないし、えーっと、ケンシン……。ウエスギ……。なんか聞いたことがあるような_)

頭の中で、ケンシン…… ウエスギ……と繰り返していると

「…あ! もしかして、上杉謙信? 戦国大名の…」

??「なんだ知っているじゃないか! いかにも、この方は上杉謙信!この上杉領を治めているお方だ!」

(よ、良かった…… 合ってたんだ)

???「景家。素性の解らない相手に、そのようなことを話すのは…」

景家「まぁ、良いだろう? その程度で不利になる謙信様ではないからな!」

顔に傷がある方…… 柿崎景家さんが胸を張りながら言った

景家「それに_」

(?、それに?)

景家「…俺は、この娘を信じたわけではない」

私は景家さんに値踏みするような視線を向けられ、

思わず身体が強張った_


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