第1章 出会ったのは……
「うーん。こっちで方向あってるのかな?」
森を彷徨ってる内に、
どんどん心細くなり、さっきよりも不安が大きくなる
それでも勇気を振り絞って進む
「あっ!」
暫くすると森が途切れて、崖の下に広がる家々を見つけた
(良かった…)
私は少しだけ、救われたような気がした
「なんか村、みたいな感じだな……」
(テレビで見る時代劇、みたいな?)
「人も居るかもしれないし、行ってみよう!」
_グワン_
(ん? 今のうなり声??)
後ろを振り返ると 見た事のない大きな化け物に囲まれていた
「ひぃ!」
(こっちに、来る!?)
化け物がこちらに近づこうとした為後ずさると…
「あ!」
自分の身体がぐらりと後ろに傾く
(しまった、落ちる!)
そう思い目を瞑ろうとすると
_ザシュ!_
突然、私と化け物の間に人影が飛び込んで来た
「え?」
飛び込んで来た人影は 流れる様な動作で化け物を斬り払った
「きゃっ」
間髪入れずにその人は空いてる手で
私の腕を掴み引っ張ってくれた
(た、助かった…)
お陰で私は崖から落ちずに済んだ。
?「怪我はないか、娘」
「あ……」
さらさらとなびく銀髪に、凛とした佇まい
氷のような眼差しが、鋭く私を射抜く
(……ちょっと怖い…… けど、綺麗……)
場違いにも、そんな風に思ってしまった_