第1章 出会ったのは……
「いい天気だなー」
散歩がてら立ち寄った公園のベンチに座り空を見上げる
ソコには穏やかな青空にふんわりとした白い雲が広がっていた
__あなたの力を、貸してほしい__
(え?)
ふと聴こえて来た声の主を捜す様に辺りを見回すが
「……誰も、居ない……」
公園には自分以外は誰一人居なかった
(気の所為、だったのかな?)
そう思い手元の携帯に視線を落とすと
私の身体は目も眩むような眩しい光に包まれた_
「ん、ぁあれ?私……いつのまに気を失って…」
目を覚ますと目の前の光景に驚いた
(森?)
そこにはさっきまで居た公園とは違い
辺り一面木が生い茂っていた
「どうして、こんなところに…?」
私の疑問に答えてくれる人は誰も居なかった
(公園にこんな所、無かったはずなのに)
見知らぬ場所に一人、人の気配もなく
(此処はどこ…)
一気に不安が襲って来た
「私、これからどうすれば……」
震える足にむちを打って立ち上がり、無理矢理歩き出した
(と、とにかくここから出よう! )
「きっと、誰かと出会えるかも知れないよね! よし!」
そう言い聞かせながら歩き進めるも_
「だ……誰も、居ない…」
人どころか建物らしき物も見当たらず
ただ、ただ時間だけが過ぎっていった_