第5章 緊急事態…
兼続「まずいな……」
兼続さんも、茂みに身をひそめながら、苦々しく舌を打つ。
兼続「ちっ、この規則正しい足音…… おそらく、兵だな」
(兵…?)
景勝「うん……それも、ものすごい数……」
足音はどんどん近づいて来る。まるでこの茂みを目指しているかのように。
(景勝くん……)
私が不安になってることを察したのか
景勝「大丈夫だから……。ここにいれば……見つからない……」
そう言ってくれたが、足音は更に近づいて来る。
私たちの直ぐ傍まで_
(……!!)
茂みの合間から見えたのは、武装した兵たちだった。
物々しい雰囲気に、身がすくんだ私を、景勝くんがそっと抱きしめてくれる。
景勝「動かないで……。気づかれたら、僕たちだけじゃ守り切れない……」
言われた通り、動かない様にじっと耐えた
「……」
(どうか見つかりません様に……)
兵たちが通り過ぎる時間はそんなに掛かってはいなかったが
(早く、早く行って!!)
体感では、永遠を感じる様に、
酷く長い時間が経った気がした___