• テキストサイズ

なにがあっても、あなたを守るから…

第3章 優しき後継者……


??「おい、お前」

「え? 私の事?」

景勝くんとは違う所から声がして振り返ると、景勝くんと同じくらいの年の男の人が、不機嫌そうに 私を見つめていた。

??「はぁ? 何、お前。この俺に向かって、気安く返事してんなよ」

(え? 先に話しかけて来たのはそっちなのに?)

と思ったものの、

「あっ……すみません」

私は直ぐに謝った

(景勝くんと同じ年位の声に聞こえたから、つい敬語が抜けちゃったから… 気分、悪くさせたのかな…)

??「お前、謙信様たちが山で拾って来た女だろ?」

??「景家さんや兵たちは、間者じゃないかって疑ってた。ふらふら出歩いてたら、斬られても文句はいえないぞ」

「えっ!?」

(私……き、斬られる……の!?)

彼の言葉を聞いて恐怖を覚えた

景勝「……兼続、止めなよ。怖がってる」

景勝くんは私と、彼……兼続さんの間に入ってくれた

兼続「こう言うのは、はっきり言っといた方がいいだろ」

兼続「景勝も気をつけろよ。コイツが本当に他国の間者だったらどうするんだ?」

景勝「そんなこと、ありえない…」

(景勝くん…)

兼続「なんで断言出来るんだよ?」

景勝「良い人のような気がするから…。落ち着くにおいするし」

(え?私って、そんなに匂うのかな? でも落ち着くにおいって……?)

景勝くん言う”匂い”に首を傾げていると

兼続「なんの根拠にもなってないだろそれ! ったく……」

兼続さんは呆れた様に、頭をがしがしと掻いてから、私に向き直った。

兼続「あー、お前も、とにかく部屋に戻れ。危ないぞ」

兼続さんは、心配?して言ってくれたのかもしれないけど…

「でも、景持さんは『自由に歩いていい』って言ってくれましたし…」

「私、家に帰る方法を探してるんです。だから少しでも周りの事を知っておきたくて」

兼続「お前の事情なんか知るかよ。景勝もそう思うだろ?」

私の考えを一刀両断されて、シュンとなった

景勝「いや、僕は……帰る方法を探すのに協力する」

景勝くんの『協力する』と優しい言葉に、私は嬉しくなった

(景勝くん…)
/ 30ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp