第3章 優しき後継者……
兼続「はぁ!?」
私に協力すると言った景勝くんに驚く兼続さん_
「ありがとう、景勝くん!」
兼続「本気かよ……」
兼続さんの言うことに答えず、景勝くんは私の方を見て
景勝「どうして山の中に居たかとか、何か覚えてることはない?」
「ううん、何も……。気づいたら、あの山の中にいたから……」
景勝「そっか……」
兼続「で? その山の中に、なんか手がかりとかなかったのかよ?」
「それもよく覚えてなくて……」
兼続「ふーん。神隠しで突然そこに現れたんでもない限り、自分か、あるいは誰かの足でそこまで行けたはずだけどな」
兼続「探せば足跡なりなんなり、そこまでの道筋をたどる手がかりが残ってるんじゃないのか?」
景勝「なら……もう一度見に行ってみる?」
「えっ、いいの? でも今の所、景持さんから許されているのって、城内を出歩く事だけだし…」
(行けるものなら行きたいけど…)
景勝「大丈夫……。僕が話をしておくから……」
「ほんと? ありがとう!」
兼続「…ちっ、仕方ねぇな。 俺も一緒に行ってやるよ」
「兼続さん……!」
兼続さんの言葉に喜ぶも…
兼続「言って置くが、景勝の為だ。上杉の後継者を、護衛もつけずに出歩かせる訳にはいかないからな」
(そ、そうだよね…… なんで私、喜んじゃったんだろ…)
兼続「わかったら、さっさと行くぞ。日が暮れたら、見つかるもんも見つからなくなる」
「は、はいっ!」
景勝「兼続、さっき あなたの事情なんてどうでも良いって、言ってたはずだけど……まぁ、いいか……」
こうして私たち3人は、再び森へ行くことになった_