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なにがあっても、あなたを守るから…

第3章 優しき後継者……


「わぁ、綺麗なお庭!」

朝、目が覚めて部屋の襖を開けると綺麗な庭が広がっていた

「凄く丁寧に手入れされてて、さすがは本物のお城って感じ…」

(昨日は周りを見る余裕はなったからな…)

?「……城に入るの、初めてなの?」

「えっ?」

驚いて声のした方に振り返ると、男の人が、じっと私を見ていた

「あなたは……?」

?「景勝……。上杉、景勝」

「上杉? じゃあ……」

景勝「うん。僕、父上__上杉謙信の養子で、上杉家の後継者。……一応」

(謙信さんの…… 後継者……)

景勝「それで、あなたは…?」

「私は_」

私は自己紹介をしようとすると

景勝「……あ。なんだか不思議な、いい匂いがするね」

「え?」

(に、匂い?)

景勝「なんていう、名前なの…?」

(この人、なんていうか…… 凄くマイペースな人なのかな……?)

「えっと、結月。 だけど__」

「……あっ、ごめんなさい。年が近そうだなって思ったから、つい、馴れ馴れしく話しちゃって」

景勝「……ううん。…むしろ、敬語とか、使わなくていいから」

「えっ?」

景勝「僕の周りには…… あんまり、親しく喋ってくれる人が居なくて……寂しかったから」

景勝「話せて…… 嬉しかった」

嬉しかったと言いつつも彼の表情はあまり変わった様子はなかった

(えーっと……)

景勝「だから、これからも、そんな感じで喋って…? 呼び方も……堅苦しくなくていいから……」

「えっと…… じゃあ、景勝くん?」

恐る恐る口に出して言うと、景勝くんはこくりと頷いた。

景勝「……よろしく」

一瞬、ほんの僅かだったけど口の端が上に上がったように見え

「あ、うん…。 よろしくね」

私は微笑んで答えた

(悪い人ではなさそうだけど…… 微妙に話が噛み合わないというか、ちょっと変わった人なのかな?)




(でも、謙信さん達よりは話し易そう…… 

少しは仲良くなれると良いな……)


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