第4章 *ひみつの… 【中村悠一】
そしてチュッと優しくキスをした。
一度顔を離し、ふわりと笑う中村さん。
いつも2人の時にだけ見せるこの笑顔。
この笑顔が好きだ。
なにより、私だけ、というところがたまらない。
外で他に人がいるときは逆に少し冷たいくらいだから、なおさらだ。
『中村さん…』
腕の中で呟く。
すると彼は私の髪をさらりと撫でながら言う。
「俺、ステージにいるときもずっとみくのこと考えてた。
楽しんでくれてるかな、みくの目に俺はどう映ってるのかな、って。」
『楽しかったです、すごく。それに中村さんもとってもかっこよかった。』
「あ、またですって言った。」
『ふ、ふみまへん……』
ほっぺたをつねられ謝罪を述べる私を見て、中村さんはふっと笑う。
ふいに中村さんが首筋に顔を埋めた。
『ひゃっ…な、中村さんっ?』
「みくが不安に思うなら、俺はいつでも側に行く。
抱きしめるし、キスだってする。」
首筋に赤い花を咲かせると、そのまま舌を這わせる。
「それでも足りない?」
ふっと耳に息を吹きかけられる。
それにビクっと反応する私。
顔を赤らめ、はあっと息を大きく吐くと、中村さんの瞳をじっと見つめる。
『……たりない。』
「じゃあしょうがない。」
『んっ……』
再度首筋に顔を埋め、チュッと小さな音を立てる。
イベント終わりで疲れているはずなのに、私も彼もお互いを求め合った。