第2章 *ひみつの…【神谷浩史】
「美咲。俺はお前が好きだ……!」
『私も、ずっと大好きだったよ……!』
はあ、美咲が羨ましい。
私も神谷さんにこんなセリフ言って欲しい!!
「んー、ここはー……」
と言っておもむろに私のことを抱きしめる。
『えっ、ちょ、神谷さんっ??』
私をもう一度ぎゅっとすると、
「俺は、お前が好きだ……」
さっきよりも少し低い声でささやく。
そんなの、耳元で言われたら……っ
「みくちゃん、つづき。」
私はハッとして、セリフを読む。
『私も…、ずっと、大好きだったよ……』
チュッ
……んっ???
今………今、なにが起きたの……?
顔を上げると神谷さんが笑っている。
「俺、優也としてじゃなくて、神谷浩史として、みくちゃんが好き。
さっきのはセリフじゃなくて、本心だよ。」
『神谷さん……』
急な告白に、頭が真っ白になる。
神谷さんが、私のこと好き……?
「みくちゃんは?」
私は………
「私も、神谷さんがずっと大好きでした。
美咲としてではなくて、早瀬みくとして。」
言い終わると、また神谷さんがキスしてくれる。
さっきのとは違って、愛を確かめるような、深くて優しいキス。
「ねえみくちゃん。
…………いい?」
それがなにを指すのかは明確だろう。
私は頷いた。
「ありがとう」
そういうと神谷さんは私をふかふかのソファへと誘導した。
「大切にする。約束するよ。」
そう言って再び私にキスの雨を降らせた。