第5章 本心と本音
ふーん……って。
何だよ、その無感心な反応…。
『じゃあ…………今、する?』
「は?なにを?」
今度は何を言いだのかと、あまり期待せず、聞くと。
『だから……キス。』
「……はぁ!?」
本当、今日どうしたんだ?
夜海ってこんな積極的だったけ?
嬉しくないわけじゃないけど、いきなりで頭が追いつかない。
しかも、こんなタイミングで…。
『良いじゃん……私たち付き合ってるんでしょ?』
「そ、そうだけど…。…いいのか?」
そう聞くと、突然ベッドの端に置いてあったクッションが飛んできて、顔に直撃した。
柔らかいクッションだけど、多少の痛みはある。
「った……夜海、いきなり何す……。」
少し声を上げて言おうとしたら、夜海が涙目でこっちを見ていた。
『貴大のバカッ!
私が、貴大と他の子がキスしたって聞いて、妬かないわけ無いじゃん……。
頑張って、誘ってみたのに………なんでそんな控えめなの?
私とキスするイヤ?』
「……っ!」
そう言って涙を流し夜海はうずくまった。