第5章 本心と本音
『貴大!……どう……だった?』
そんな思いを少し残しつつ、夜海の家に向かうと、不安そうにしていた。
「大丈夫。ちゃんと別れられたから。」
『そう、よかった……。でも何でそんな顔してるの?』
「いや……。女子の変貌を目の当たりにした気がして。」
"そんな顔"……ってのは自分でも何となくわかる気がした。
別れることが出来て良かったと思うけど、彼女のもう一つの姿もしくはアレが本来の姿だったのかもしれないけど、それに対して気持ちが追いつかなく、微妙な顔をしていたのだと思う。
『?』
「いや、何でもね。……それより中入っていい?」
夜海は俺の言っているがわからずキョトンとした。
まぁ、当たり前だけど……。
また、不安させる前にそう切り出した。
『あ、うん。いいよ!』
そうして、数ヶ月ぶりに夜海の家に入った。