第5章 本心と本音
部活を終え、天気が良かったこともあって、
広場を待ち合わせ場所にした。
だいぶ暖かくなって、柔らかい風が心地いい。
見える景色も良くて、こんな所で別れ話なんてと少し選択を後悔した。
2人で同じベンチに座ったものの、なんと話出せば良いのかと迷っていると。
「ねぇ、私からでいい?」
そう、レミが言い出した。
「え……うん。」
正直、レミちゃんの話を先にすると別れ話をしにくくなると思っていた。
けど、彼女からは意外な…言葉が放たれた。
「別れてほしいの。」
「………え?」
状況が把握出来ず、彼女の方を向くと、続けて言った。
「だってー貴大くん、いくら言っても夜海さんに夢中なんだもん。私、いつまでも1人の人に未練あるような男って苦手なんだよねー。」
クルクルと自分の髪を弄りながら彼女は言う。
というか、今までと雰囲気が違う気がしてやまない。
「だから、別れてあげる。私フラれるの嫌いなんだ〜。
どうせ、貴大くんもそのつもりだったんでしょー?」
「そ、そう。え……と。あり……。」
「あ、お礼とかはやめてよね?!私が負けてみたいでムカつく…。」
「ご、ごめん。」
「ま、貴大くんとこ好きだったのは本当だよ。デートとかも楽しかったし。けど私結構モテルから新しい彼氏なんてすぐ出来るんだよねー。カッコイイ人も多いし。
そういう事だから、じゃ、バイバイー。
夜海さんと仲良くねー!」
そう言って彼女は去って行った。
つーか、何だったんだ…今のは。
長くなると思っていたのがたった5分ほどで終わった。
しかも、ちょっとわがままで甘えたがりのふわふわした子と終わっていてのに、さばさばしてちょっとギャルぽさがある子に変わってて驚いた。
いや、元々ああいう性格だったのか?