第5章 本心と本音
あれからどれくらい時間が経っただろう。
少し落ちつた夜海はありがとう、嬉しいと笑いかけてきた。
けど、すぐに思い出したかのようにまた、不安げな顔をした。
『あ……でも貴大、彼女さんはどうするの?……ってかこのことバレたら私殺される…。』
そうだ。夜海と付き合うなら、まずは由紀ちゃんとちゃんと別れないと。
夜海は必死に俺に想いを伝えたのだから、俺もちゃんとじの気持ちを伝えないと。
どうしよう。とオロオロする夜海の頭を優しく撫でて俺は言った。
「いや、流石に殺しはしないと思うけど、とりあえず明日話してくるよ。
ちゃんと話つけて別れたら、夜海家行くから。」
『…わかった…待ってる。』
その言葉に安心して、俺の手を握った。
その日の夜、俺は由紀に電話をした。
「明日、会えない?話があるんだ。」
「いいよ。私も貴大くんに話したいことあるの。」
たったそれだけで電話は切った。