第5章 本心と本音
それから、私は必死に貴大を探した。
あのまま帰るならきっと家の近くをまだ歩いているはず。
そう思って走った行った先に、やっと貴大がいた。
『貴大っ!!』
声を上げで呼び止め、振り向いた貴大を抱きしめた。
「夜海?!…おま……なんで。」
『好きっ!……ずっと前から貴大が好き!』
驚く貴大の声を聞きながら、ギュッと貴大の服を握りしめて、私は言った。
「で、でもお前松川と…。」
『松川とは別れたの……ううん、別れさせてくれた…。
私の1番大事な人は俺じゃないからって。
それで、気づいたの。私、やっぱり貴大じゃなきゃ嫌。
ずっと一緒にいたい……。
話さないなんて無理……。
私と付き合ってください…!!』
言い切ると、涙が溢れた。
やっと言えた達成感。
でもきっとダメと思う悲しさ。
貴大の事がこんなに好きでその分沢山涙が流れた。