第5章 本心と本音
『あのね、さっきの事なんだけど、一静はいつも彼氏らしいことしてくれてるよ。だから……』
さっきの言葉が気になって私がそう言うと、一静は少し笑って
「冗談だよ。」
『え?』
「ちょっと、夜海をからかってみただけ。…ああ言わないと、自分も払うってきかなかっただろ?」
『うっ…。』
自分の心情が完全に読まれてて言い返せない。
「だから気にしなくていーの。ほら、雑貨屋でポーチ買うんだろ?」
一静はそう言って私の手を引いて歩いた。
その後は雑貨屋で可愛いポーチも見つかって、
ゲーセンに行ってはリズムゲームで遊んだり、クレーンゲームで好きなキャラのキーホルダーを取ってもらったりした。
たくさん歩いて少し疲れたからカフェで休んでいると、
「夜海、俺ちょっと部活で使うシューズ見たいんだけどいい?」
『もちろん!私ばかり好きなとこ行っちゃ悪いし。』
と言ってビルの中にあるスポーツ店に向かった。