第5章 本心と本音
デートの日、待ち合わせの時間に、待ち合わせ場所に向かうと、一静の姿を見つけ、駆け足で彼の元へ向かった。
『ご、ごめん。私、時間間違えた?』
もしやと思って私が聞くと、一静は優しく笑って答えた。
「いや、時間ピッタリ。俺がちょっと早く来すぎた。」
『そっかーよかった。』
それにホッとした。
「じゃあ行こうか。」
『うん。』
手を繋いで、あらかじめ予約していた、映画に向かう。
今流行りのラブコメの映画を見たあと、
近くのレストランでお昼にした。
「夜海、他に行きたいとこある?」
食事をしながらそう聞かれて、うーんと考える。
『えーとね。最近気に入ってたポーチが壊れちゃったから代わりの買いたいな。…雑貨屋とかで!』
「じゃあ、とりあえずそこ行きますか。」
次に行くところも決めたところで、再び食事を続けた。
食べ終わって、じゃそろそろ行くか。と、なり席を立ってふと思った。
『あ、ここの会計、あとで返す感じで一緒にする?それとも別々に……。』
といいかけると、
「いいよ、ここは俺のおごりで。」
『え!だ、ダメだよ。そんな私もしっかり食べちゃったんだし
。』
彼は財布を出して、言うけど、
高校生でバイトもしてないのに、奢ってもらうなんてと思った。
「いいのいいの。これくらい。彼氏なんだから気にすんなって。…それとも、夜海は俺に彼氏らしいことされてくれないの?」
『そう言うことじゃ、無いけど………。…じゃあお言葉に甘えて…ごちそうさまです。』
そこまで言われると、逆に悪い気がして、その場は一静に奢ってもらった。