第1章 あなたは私の好きな人
そして、放課後になり、5時半ほどで部活が終わると昇降口で貴大が待っていた。
それから一緒の駅前のカフェに向かった。
『えっと、アイス抹茶ラテとシュークリーム2つで。』
「あと、カフェラテのホット。」
レジの店員に注文してると、隣で貴大が追加してきた。
『ちょっと、飲み物までは奢らないんだけど?!』
「わかってるって、後で金返すから一緒に払っといてよ。」
『もー。』
そう言われ、渋々その場は私が全額支払った。
注文した商品を受け取ると奥の席に座る。
「あーやっぱここのシュークリームうま。」
美味しそうにシュークリームを食べる貴大。
そう言えば昔はシュークリーム食べてる顔、可愛かったっけ。
『そ。そりゃ良かったね。って言うか本当好きだよねシュークリーム。』
「まぁな!けどここのシュークリームは特別上手い。夜海も食えばいいのに。」
『いや、さすがにお金かかるし。』
抹茶ラテで400円近く。
プラス250円のシュークリームが2つ。
高校生でバイトもしてない私にとってもかなりの出費。
「じゃ、ひと口食うか?」
そう、食べかけのシュークリームを差し出す。
これ…食べたら間接キスになるじゃん。貴大わかってのかな?
それとも私が変に気にしすぎてるだけ?
チラッと貴大の方を見ると、"何で食べないんだ?"と言わんばかりで不思議そうに私を見ていた。
少し気まずい中私は小さくひと口シュークリームを食べた。
「あ、美味しい。」
サクサクのシュー生地に濃厚なカスタードクリーム。
コンビニとかで食べるシュークリームも美味しいけど、それとは違う美味しさ。
「だろ?!」
嬉しそうにそう言うと、またひと口シュークリームを食べた。
本当、わかってるのかな。