第4章 新しい恋と愛……?
「そんな事、言われたんだ。花巻の彼女に…。」
泣きやんだあと、だいぶ落ち着いた私は、お茶を出して自分の部屋で大体のことを一静に話した。
『うん、なんかさ、必死ぽかったし、自分の彼氏が他の女子と仲良くしてるのって目の前でそうじゃなくても、なんか嫌だと思うから、拒否られなくて。』
「すげー優しいだな、夜海は。」
『え?』
「いや、だってさ、ずっと一緒にいて、これから先も仲良くしていたいって思ってる相手とられても、そんな風に言えるなんて、普通出来ないだろ。」
『そうかな…。』
「そうだって。俺もそういう夜海の優しいとこも好きになった一つだしさ。」
『ありがと…。』
「花巻との関係は少しずつ解決していこ?何でも相談に乗るから。」
『うん、話聞いて貰ったら少し楽になった。』
「そう?じゃあ俺はそろそろ帰るわ。」
一静がそう言うから、私は玄関まで見送ることにした。
『本当いろいろありがとうね。』
玄関を出ようとした際に私がそう告げると。
「…あ、じゃあもう一つ、元気が出るおまじない。」
そう言って振り向いた一静はそっと私の頬に手を添えるとそのまま優しいキスをした。
『っ!!』
「じゃあまた明日な。」
一瞬の出来事に、私は最初何が起こったのかあわからず、混乱した。
けど、それはとても優しく、愛が伝わるものだった。