第3章 雨
※花巻
「なんだよお前ら喧嘩でもしてるのか?」
俺と夜海の会話や雰囲気に違和感があったのか、岩泉が聞いてきた。
「は?別にそんなんじゃねーよ。」
まぁ、喧嘩はしてねぇけど、どうにも話しにくい…。
レミちゃんとの約束もあるし。
「岩ちゃん、今頃気づいたのー?マッキーは今、恋のお悩み中なんだよー。相変わらず鈍いねー!」
「あぁ!?うっせーな!!
……とにかく、部活には影響だすなよ?」
「だから、ちげーって!」
そこに、及川が余計なことを言って、ややこしくする。
極力、夜海の事でコイツらを巻き込みたくないんだかな。
早く教室に行きてぇと思っていると、呆れ気味に松川が登校してきた。
「朝から騒がしいな。もう少し静かにできねー?」
「まっつんおはよー!一足遅かったねー。」
「え?何が?」
「さっき、夜海ちゃんと由紀ちゃんからチョコ貰ってたんだよ!」
「義理だけどな。」
「付け加えなくていいから!」
「別に、今じゃないと貰えないわけじゃねーだろ。まだ朝だしな。」
「まっつん余裕だねー!」
「去年もお前らと一緒に貰ったからな。」
あの日から松川が夜海とどうなったかは知らない。
気にはなってるけど、聞くのも聞きづらい。