第3章 雨
そして、あっという間にバレンタインデーはやって来た。
朝からワイワイ騒ぐ校舎。
友チョコの交換や義理チョコを渡す女子。
私も由紀とチョコを交換していた。
『はい、由紀。』
「ありがとー!今年は何にしたの?」
『ミニチョコタルト!由紀のは2つにしといたよ♪』
「やった♡ありがとう!じゃあこれ私から!」
『ありがと♪』
由紀がくれたのは市販で売っているものだ。
そこに、バレー部の幼馴染み2人がやって来た。
『あ、及川ー!はい、義理チョコ!』
「私からもー!市販のファミリーパックのチョコだけど!」
「ちょ!2人してそういう余計なことは言わなくていいからっ!」
「朝からうるせーぞクソ及川!」
「なんで、トドメ刺すような言い方するのさ!岩ちゃん!!」
『岩泉もはい、チョコ!』
「おーサンキューな。しかし、よく毎年作るよな。」
『まぁ、簡単なやつだけどね。』
まぁ、この2人なら私達があげなくてもたくさんもらえるんじゃないかな。