第3章 雨
「でも、及川達にとっちゃ、部活も最後の大会になるよね。」
「おう、今年ことは絶対全国行ってやる。」
『頑張ってねー!応援行くから』
「私も夜海と一緒に行くね!」
バレー部の応援は1年の頃から毎回行っている。
貴大の応援もあったけど、大好きだったバレーをしている人を見に行くのは好き。
「ありがとう2人とも!でも美術部だって最後でしょ?」
『私達は美術系の学校に進学すればコンクールの機会はあるから。それに、バレー部は2度と同じチームで試合出来ないけど、こっちは結局は個人種目みたいなもんだし。』
私は顔を合わせて頷いた。
それに、私は描かればそれでいいと思っているから、美術部は好きだけど、最後だから賞が欲しいと言うことはなかった。
「まぁ、そう言われるとそうかもね。って言うか、2人共美術系の大学とか目指してるの?」
『まぁ、一応いくつか候補はあるかな。』
私と由紀は今学期になって流石に進路をと思い部活の途中に話し合っていた。
地元の仙台もあったけど、東京の方がやはり学校も多いし、就職する時のことを考えると、そっち方面になり、学校に調べていた。
「出来れば一緒のとこ行こうって決めてるんだ。そっちは進路決めたの?」
「いや、俺はまだだな。まだ行きて所とかわかんねぇし。」
「俺も、とりあえず今はバレーかな!」
『だよねー。』
変わらないほど、部活に力を入れている2人。
それが彼ららしくて何だか和む。
するとキーンコーンカーンコーンと、鐘が鳴った。
『あ、予鈴…。』
「じゃ、また後でね!」
私達は2人に手を振って自分の教室に入った。