第3章 雨
次の日、結局私は学校に行けるほど回復せず、休んだ。
午後には由紀からも松川からも連絡が来た。
それが凄くうれしくて、元気が出た気がする。
「夜海ー。明日は学校行けそう?」
今日のお昼頃に出張に行っていた母さんが帰っていて、下に降りると家事をしながらそう聞いてきた。
『うん、熱も下がったし、喉も痛くなくなったから。』
「そう。ならいいわ。
まったく、びっくりしたわよ、帰ったら家で寝てるんだもんの。しかも昨日も休んだとか。」
『あはは、ごめん。』
それなりに心配かけてしまったことを謝る。
だけど、雨の中走って帰ったのは黙っていた。
言ったら絶対怒られると思う。
「そうそう、この前に貴大くん会ったのよ。私、最近全然会わなかったからびっくりしちゃったわ。
背も高くて、大人っぽくなって。」
不意に貴大の名前を聞いてビクッとした。
『そーだね。』
「なーに?あなた達喧嘩でもしてるの?あんなに仲良かったのに。」
『別に喧嘩なんてしてないよ。大丈夫だって。』
「そぉ?」
昔から貴大家とは親同時も仲が良い。
私達かよく一緒に登校してることも知っているらしく、気にしてるみたいだった。