第3章 雨
※夜海
翌日、案の定、風邪を引いた。
けど最近は学校に行くのが辛かったから丁度いいと思った。
ただ、最悪なことと言ったら
共働きの親が、よりによって2人揃って出張に行き、3つ上の兄は、サバゲーで明日の夜まで帰って来ないという。
そのせいで私は朝、学校に連絡したものの、それからはベッドの中でずっと寝ていた。
食欲も無いし、頭も痛くて咳も出てダルい。
誰もいないから心細さを紛らわすように眠た。
昼過ぎだろうか、いきなりスマホが鳴り、画面をチェックする。相手は由紀からの電話だった。
『もしもし。』
〈あ、夜海ー?大丈夫??朝来ないと思ったら、担任が夜海は今日休むって言うからびっくりしたよ。〉
声から伝わる心配に私は少し寂しさや不安が無くなった。
『ごめんね、心配かけて。ただの風邪だから大丈夫。』
〈喉ガラガラだね、辛そう。
もしかして、昨日雨の中帰った?〉
『あー、うん。そうなんだ。』
〈もー、私とこ待ってれば良かったのに、私傘もってたんだよ?〉
『そうだね、待ってれば良かった……。』
由紀にはそう言ったものの、休めてよかったと思っている自分もいるので、少し罪悪感を感じた。
〈とにかく、今日はしっかり休んでね!〉
『うん、ありがとう。』
優しい由紀の言葉を持って電話を切った。