第3章 雨
「初耳だよー。全然そんな素振り無かったし。」
『まぁ他校生だしね。』
「及川は逆に彼女に振られたんだよね?」
すると、唐突に由紀がそう話を切り出した。
「ちょ!なんで知ってんの?」
まさかの本日2度目の及川へのドッキリ。
って言うか、それは私も初めて知った。
「岩泉がこの間言ってたよ。」
楽しそうに話す由紀。
そう言えば、由紀は委員会一緒なんだっけ。
「岩ちゃんったらなんで、バラすんだよ…。
そうだ!由紀ちゃん俺と付き合わない?」
「結構でーす。」
ニコニコしながら由紀は及川の告白を即答で断った。
「あはは、連れないな。」
その反応に及川は苦笑いをした。
「それにしてもマッキーが他校の女の子と付き合うなんて意外だな。」
「だよねー。」
『別に、普通じゃない?貴大だって、ただの男子高校生なんだし。…私、用事思い出したから先行ってるね。』
少し居心地が悪く感じた私はその場を後にした。
「はいはーい。」
「じゃーね夜海ちゃん。」